1.生息分布
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2.生息環境 海抜0-100m、温度22-32C。湿度80-86%。低地の川周辺の大木に着生。 | ||
3.形状 3-1 花 1. 花被片 花被片は4.5 - 6.0cm。1 - 2本の花茎に2 - 3輪の花を付ける。野生種の多くは名前の通り菫桃色。現在多くの改良種やPhal. bellinaとの交雑種と思われる苗がマーケットに出回り、原種本来の色からかけ離れた品種がほとんどである。本種は胡蝶蘭のなかでは強い香りがあり、この香りは(elemicyne 55% 、alcohol cinnamylic 27%成分)と言われPhal. bellinaがレモン風の香りを含むのに対して、本種はスパイシーな香りをもつ。開花期は夏から晩秋。
Phal. violacea v. mentawaiは独立した種として別ページで取り上げており、Phal. violacea v. mentawaiとの相違は下表となる。
2. リップおよびカルス リップ側弁はペタル・セパル色に対応して様々な色やパターンが含まれる。中央弁の竜骨突起は小さくなだらかで中央弁先端には小さな突起がある。先端部の丸い膨らみには繊毛はない。カルスは2組とされ、右写真に示すようにanteriorカルスは長く突き出た先端2分岐の歯状突起、posteriorカルスはanterior側(黄色の部分)に僅かに突き出た先端2分岐の歯状突起と複数の腺状突起から成る。
3-2 さく果 さく果の長さは10 - 11cm。深い6本の縦溝がある。先端の花被片は交配後、緑色に変化し落下はしない。5 - 6ヶ月経過すると黄変し始める。交配から4ヶ月程度で胚ができ、採り撒きができる。自家交配でも野生種の受粉成功率は良い。写真右はPhal. violacea Indigo blueのフラスコ苗。
3-3 変種および地域変異 マーケットではPhal. bellina albaと見分けが困難な株が多い。香りで判断可能であるが両者同時に比較しないと難しい。
2. Phalaenopsis violacea f. coerulea Blue系の本種は多様な様態でマーケットで見られるが、ほとんどが改良種である。下写真のセルレアはそれぞれ野生種である。自然界において野生のアルバやセルレアは極めて稀とされる。
3. Phalaenopsis violacea Indigo blue 改良種。右はNorton (USA)。
4. Phalaenopsis violacea Borden red 改良種。濃赤色フォーム。
5. Phalaenopsis violacea punctatissima form セパル、ペタル全体に細かな点あるいは線状斑点が分布するフォーム。
6. Phalaenopsis violacea mutant ペタルが突然変異でスプラッシュフォームとなったもの。
7. Phalaenospsis violacea v. mentawai 別種として別ページに記載 3-4 葉 葉長20 - 25cm。幅9 - 10cm。写真はsumatra産。葉は楕円形で、厚みは薄葉のPhal. violacea v. mentawaiと、厚葉のPhal. bellinaの中間に位置する。長楕円状披針形のPhal. violacea v. mentawaiとはかなり形状が異なる。Phal. violacea f. mentawaiはしばしば葉にアンジュレーションが入るが、本種も僅かにアンジュレーションが入る場合がある。薄葉は高い湿度環境に生息すると思われ、温室のような同一環境では湿度不足からアンジュレーションが入りやすいのかも知れない。
3-5 花茎 花茎は葉長に比べやや短く中央から先端部の節がジグザクとなって伸長する。2 - 3本発生し、3 - 4か月間程かけて花茎当たり2 - 3輪づつ順次開花させる。花茎は花が終了後も枯れるものもあるが多くは枯れない。3-5 根 根は銀白色の円筒形で太く活発に発生・伸長する。ヘゴ板やコルクなどへの活着は良い。このため小株であっても大きなサイズの取り付け材が必要である。 全てに共通しているが、根の量が株の大きさ、花数に影響を与えるため小さなポットへの植え付けは適さない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
4.育成
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5.特記事項 その香りから胡蝶蘭原種では最も人気のある種と思われるが、市場にある株は大半が改良種、実生からの選別種あるいは異種間交配種であり、野生種あるいはそれに近い種は生息地の原種専門ラン園でも入手が難しい。特徴のある色合いをもつマーケットでの培養苗は親株の色を継承できる確率が極めて低い。 | ||