|
8月
NTTシステムバージョンアップ工事に伴うサイトの不具合
昨日24日19時から25日6時にかけてNTTのサーバー工事があり、今朝工事終了の通知メールをもらったのですが、確認したところ7月以前の古い画像やページが表示され、工事以前の状態に戻っておらず、現在当サイトではそれらの対応に追われています。例えば胡蝶蘭原種のページは先日行った改版ページではなく古いページが表示されたり、この歳月記も7月までとなっていました。早速改版ページを再度アップロードしましたが、最近更新した情報は多岐に渡っており、おそらく各ページで同様な状況が生じていると思います。現在調べており復旧には2-3日かかるかも知れません。同じような問題がNTTサーバー利用者に起こっているとなると大変なことになりかねません。
胡蝶蘭原種ページの更新
現在会員用ページの制作に取り組んでいますが、胡蝶蘭原種の改版をしながら気が付いたことが多々あり、例えばこれまでのページ掲載の画像(特にカルス形状)が見にくいこと、文書と写真が一致しない個所があること、さらに重要なことは世界からのアクセス数が多いことなどで、それならば今回制作中の最新ページに全て入れ替えざるを得ないと判断し、昨日(22日)これまで公開中の胡蝶蘭原種の全種をアップロードしました。
栽培者が花姿を知りたい時、著書や種名をネット検索することで多くの画像を容易に見ることが出来ます。しかし栽培を通し、似て非なる花が開花した時、入手した株が果たして原種なのかハイブリッドか、同一種での個体差か別種かの見極め、類似種間での相違点、さらにそれぞれの種固有の栽培要件、などなどの問題を解決するために必要な情報を得ることは一方で極めて困難です。これは当サイトが20年ほどの栽培を続ける中で、自ら体験してきた課題でもあり、種名とその花の真偽を見定める情報や手段を発信できればと取り組んできました。これからは栽培者だけでなく、世界中のサプライヤーにとっても本サイトが胡蝶蘭類似種の誤販売防止のための重要な情報源になればと思います。今後とも栽培者の視点から、さらに深堀りしていく方針です。
(注:胡蝶蘭のページを開示したものの、これまでの古いページが表示される場合はウインドブラウザーの更新を押して画像を再表示して下さい)
現在(22日)開花中の18種
当サイトでは夏期が最も開花種の少ない時期となります。1日の昼夜の温度差が少なく、また高止まりとなるためです。それでも多くの種で新芽が現れ、盛んに伸長しています。これまで年間を通して肥料を施すことはほとんどない栽培を続けてきましたが、希少種の在庫も多いことから今期から吊り下げ型の取付株にはプラスチック製の小さな蓋付き肥料容器で、一方、ベンチ置きのポットには直接、固形肥料を与えることにしました。通常夏期は気温が高く施肥を避ける時期とされますが、当サイトでは、施肥は季節で決めるものではなく株の様態で決めるものとしています。すなわち新芽や根が伸長中であれば季節に関り無く、与えるべきとするものです。この背景には収集する原種は主に東南アジアの広い地域から、また生息標高域も様々で、それぞれ1年を通した生態が異なることによるものです。猛暑が続いた現在も多くの株に、これからの秋期や冬期また来年の春の開花を目指した動きが見られます。ただこの肥料容器の取付が、ここ1か月で、すでに800個となりました。最終目標の2,000個まではまだまだです。
下写真は現在開花中の花で、30種程の開花種から18種を撮影しました。Phalaenopsis lindeniiはリップ中央弁が赤紫(medium violet red)の濃い色で、これだけの発色フォームは珍しいので取り上げました。Dendrobium lambiiは倒立花のため逆さまの向きが自然の状態です。これはBulbophyllum cleisotogamumも同様で自然体は上下逆です。しかし本種の倒立姿はランには見えないので、敢えてこのアングルで掲載しました。各種の詳細画像は青色の種名をクリック下さい。
Dendrochilum macranthum
Dendrochilum macranthumはフィリピン固有種で、ミンダナオ島を除くルソン島からレイテ島などに分布する広域生息種とされます。しかし本種に関わる類似種(magnum、 latifolium、 var. macranthum)間の関係は複雑です。そこでこれら類似種と当サイトが栽培する種との関係を調べることにしました。まずorchidspecies.comではmagnumの生息域は標高1,600m-2,000mのコケ林と記載されています。フィリピンのこの標高は中 - 低温域となり一般の高温タイプとされる800m以下のランとは同一環境での栽培はできません。一方、下写真に示す当サイトの種はPhal. amabilis、Den. anosmum、Vanda luzonicaなど800m以下の低地に生息する高温タイプと同じ温室にて、良好な成長や開花が見られることや、本種を入手した、高温下にあるフィリピンのストックヤードにおいても本種の多数が栽培され開花しており、こうした実態からは本種が中-低温タイプとは考えられません。またorchidspecies.comでmacranthumを検索するとlatifolium var. macranthumにリンクし、macranthumはlatifoliumの変種とされ、そのページには黄緑の花画像が見られます。葉長は60㎝で、生息域は1,200m以上のhot to cool種(なぜ1,200mがhot?)との記載です。こちらも標高からは高域生息種と見做されます。さらにlatifoliumを検索すると、濁った黄緑色の花が表示され、生息域は300m - 2,200mで葉長は20㎝となっています。orchidspecies.com記載のいずれの種にも下写真が示す長い日数をかけて変移する花色についての情報はなく、リンク先の3種の中には当サイトのデンドロキラムに該当する種はありません。
一方、J. Cootes著 Philippine Native Orchid Speciesには、latifoliumとmacranthumの違いについてmacranthumは穂状花序(穂のような花並び)の輪花数が多いことと、花序は通常葉長(40㎝以下)と同じか、やや長い、また開花から散るまでの花色の変化(開花時は緑色で、やがてオレンジ色)としています。しかしlatifoliumの花画像は淡い緑色で花色変化については記載がなく、花序(花のある部分)は20㎝まで、葉長は25㎝とのことです。生息標高域は、latifoliumが300m - 1,700m、macranthumが600m - 1,400mとしています。当サイトが栽培する種の花序の測定では、葉元から最初の花の位置まで(花序柄)のサイズが40㎝、最初の花(苞)から穂先まで、いわゆるflower portionとされる長さが30㎝程で、良い香りがします。これら情報からは当サイトの種はJ. Cootes著書のmacrantumに該当します。
纏めると、orchidspecies.comでは、高地に生息する花色オレンジの種をmagnumとし、高地から低地に生息する泥黄緑色の種をlatifolium、そのlatifoliumの中で、高地生息で葉長が3倍程の種を変種macranthumと分類しています。一方、J. Cootes著書には花色の変化特性や輪花数、また開花期や香りの違いからlatifoliumとmacranthumは変種の関係ではなく別種と位置づけています。ではJ.Cootes氏はフィリピン固有種として現在マーケットにあるmagumとされる種をどう見るのか?著書にはmagnumの存在を否定するかのように記載がありません。
栽培の視点から本種を観察する限り、花序のサイズ差だけでなく、1か月以上かけての花色の変化は極めて稀な特性(Den. dianaeやDen. cymboglossumのように薄緑色がやがて黄色に変化する種は多数ありますが、こうした変化は開花直後から始まったり、落花前の数日の間に現れる)であり、また本種は高温環境で成長が活発な種であることなどから、macranthumは他種とは独立種相当と見ており、1911年Schlechter登録のDendrochilum macranthumのJ. Cootes氏の記載を是として、現在の栽培種についてはDendrochium macranthumとしました。下写真で上段左が開花直前、右が凡そ1か月後にオレンジ色に変移した様態を、また下段は開花前から順次約10日間隔で4段階に分けて花色の変移を撮影した画像です。今月初めの歳月記でフィリピンラン園にて本種をアルバと間違えて入手したと述べましたが、それは写真下段の左から2つ目の花色だけが、全株(20株程)の数百本の花序に一斉開花していたからです。オレンジの花色が1本でもあれば、アルバではないとして購入しなかったかも知れません。しかし今では、この猛暑の中、その爽やかな香りは温室の貴重な存在です。
|
|
|
|
Dendrochilum macranthum (Changes of flower-color every 10days from left to right) |
マーケットにおいて、magnum名のデンドロキラムが現在ネットで多数見られ販売もされていますが、orchidspecies.comの生息域が正しいとすれば、標高1,600m以上は、年間平均気温が20℃のフィリピン最大の避暑地バギオの標高1,500mより高く、この生息域種を栽培し開花させるには中温から低温の環境が必要で、通年で夜間平均温度を20℃以下としなければならないことを果たして購入者は知って入手しているのかが疑問です。時折見かける’低温に強いラン’と云われる種は一方で往々にして、’しかし高温には弱い種’であることも考慮しなければなりません。もし入手した株の花色変化が短期間で終了したり、花苞(上写真で花を包んでいる白い苞)が白ではなく花と同色、また花が開花している部分の長さが20㎝以下で高温環境に置いても開花が見られるようであれば、その種はDendrochilum latifoliumの可能性が高くなり、一方、高温栽培で問題なく、花苞は白色のままで、花色の変化が1か月程かけて変化し、花の付いている花軸の長さが葉長と同程度か、それ以上であればmacranthumかも知れません。
視点をガラリと変えて、もしmagnumの標高域が1,600mからではなく、より低地にも生息し、最終ステージの花色を前提に1861年H.Reichenbachが種名登録(この時代にフィリピン全土の生息域調査は困難)をしたのであればmagnumと、1911年Schlechter登録のmacranthumは同一種と見るのが妥当となり、先行登録名優先からは種名macranthumは無くなりmagnumとすべき可能性が高まります。さらに、1997年H. Pedersenがmacranthumをlatifoliumの変種としたのがorchidspecies.comにあるような、上記写真の中間ステージの花色を見ての判断(当サイトが最初のステージを見てアルバと思ったように)をしたのではと憶測すれば、var. macranthumとする画像の花苞が白い(latifoliumの花苞は緑)点からも、むしろmagnumの一形態と見做され、var. macranthumの存在も怪しくなります。上記の想定からは、開花最終ステージでの白い花苞でオレンジ色のmagnumと、花と花苞共に緑色のlatifoliumだけが残ることになります。長い時間をかけて花色を変えることで花粉の運び屋を呼ぶ、虫媒花ならではの特徴の一つとも思えます。この推測が正しいとなれば、当サイトの栽培種の種名も再びmacranthumからmagnumに戻ってしまうことになります。栽培の実態と既存情報との疑問点から生まれる、こうした仮説も花を楽しむことに加えて楽しみの一つです。
Paphiopedilumの植替え準備
10年程前までは多輪花系パフィオペディラムをよく収集していました。現在栽培中の株数を調べたところPaph. rothschildianumやlowiiなどが合わせて60株、Paph. sanderianumが40株程あります。Paph. rothschildianumの中にはOrchid Innから入手したAOS(American Orchid Society)入賞花の分け株もあります。上記とは別に2015年以前はクリーンベンチで無菌培養をしており安藤培地などを自作し、左右のペタルスパンがNS(自然体)で30㎝を超えるPaph. rothschildianumの交配・実生化も行っていました。その実生がBS株として前記とは別に現在30株ほどあります。これらはこれまで8年間ほど植替えが無く栽培して来たことから、今年初秋には一斉に株分けと植替えを行う計画で、植込み材などの資材の準備を始めました。植え替え後には総数で150鉢を超えると思います。取り敢えず、葉長が1m程にもなるpaph. gigantifoliumや、ペタル長1m程の Paph. sanderianumなどから50株程を選別し植替えることになります。当サイトではこれまで地生ランには下写真上段左のような植込み材を使用しています。左から焼赤玉土、麦飯石(美濃白川産)、バーク、十和田軽石です。これに加えPH調整炭を加えていましたが、現在の資材不足で入手が出来ないため、今回は炭は使用しません。ゼオライトは鉢当たり一つまみ程の少量を加えます。鉢はスリット入りプラスチック・ロングタイプで、大株には21㎝径を使用します。
こうした植込み材がBSやFS株にとって最適なものかどうか、特に麦飯石がどれほどの効果を持つのかはよく分かりません。PHの安定化とミネラルの放出効果を期待するものの、多分に気持の問題かも知れません。しかし下写真で焼赤玉土の隣に立ててある段ボールに入ったものが麦飯石ですが、この量で隣のバーク全量に近い価格です。可なりコストパフォーマンスは悪そうです。バークと他の植込み材との比率は6:4としています。いずれの資材も今のところミズゴケのような入手危機状態ではないので、消費に合わせて順次追加していく予定です。
|
|
Paphiopedilum用植込み材 |
Paphiopedilum gigantifolium |
|
|
Paphiopedilum rothschildianum & lowii |
Paphiopedilum sanderianum |
ところでミズゴケの入手難問題ですが、EMSが可能になりマレーシアやフィリピンからの入荷が出来たとしても、ミズゴケが無い状態で4-500株の植付けをどうするか対応策が見つかりません。これまではこうした数量の株の植付けには1ヶ月以上を要することから、株の根にミズゴケを、根が隠れる程度に巻き、盆栽用アルミ線で留め、また葉間の通風を得るため適度な間隔を1株毎に空けて吊るす仮植えを植付け本番までの間、行っていました。入荷後ダンボールから取り出し仮植えが完了までは、それまで現地での出荷処理と梱包で株は衰弱しているため、4-5日以内での処理が必須です。すなわち500株近い株を4-5日で対処する必要があります。下写真は2018年歳月記8月に掲載した、入荷直後の仮植えの様子です。上段左は仮植えの完了時、右は炭化コルクへの植付け本番完了直後の画像です。入荷時には葉が弱っており、如何に植付けが急務であるかが分かります。デンドロビウムも長く細い茎の株や、半下垂タイプもベンチ置きのポット植えが出来ず、胡蝶蘭同様の吊るし仮植え処理となります。一方、茎が固く立ち性のデンドロビウムなどの株は写真下段中央と右に見られるように、同種株を適当な数に纏めて、バスケットあるいは大型ポットに、根周りをふんわりとした硬さで、ミズゴケで覆い収めます。これらの方法であれば吊るしタイプは1株当たり5分以内、立ち性の株は1分もかかりません。こうした処理で1ヶ月程は維持できます。これが順化処理以前に求められる舞台裏です。
|
|
問題は現在、こうした簡易的な植付けと伴に根の湿度を安定に保つことができるミズゴケからの代替え材が見当たりません。出荷で弱った株の葉を重ねて1か月近くも置けば、細菌性の病気のリスクが高くなります。
数が少なければ様々な方法が考えられますが、株数が多いと本番と同じような手間が掛かっては意味がありません。一方、ラン展に出品の場合も問題で、在庫中の株であっても、相当数は商品として事前の植替えが必要です。ミズゴケが使用できないとなれば1週間程の展示期間中の会場の湿度下において、バーク植付材では昼夜のかん水が無い限り、乾燥が進み株は弱体化します。このようにミズゴケ不足は様々な状況で深刻度が増すばかりです。
今月開花の24種
猛暑が続き、温室の高温室では昼間38℃、夜間はその余熱もあって28℃を下まわらない状態が続いています。特に夜間平均温度が25℃以上続くと、標高800m以下の高温タイプの原種であっても、その多くで花茎が発生しません。花茎を得るには昼間の温度が一時的に35℃程度になっても、夜間の平均温度が23℃以下に、中温タイプでは18℃以下が必要です。最近の原種マーケットでは、同種であっても、従来と比べより高域生息株が増しており、多くの原種で夜間平均温度を下げる必要があります。こうした栽培環境が出来ない場合は花芽どころか株の維持自体が困難になりつつあります。そうした中にあっても今回、暑さにめげず開花している種も僅かながら見られ撮影しました。中温タイプの種も撮影しましたが、こちらは夜間平均温度を20℃以下とした空調環境での栽培です。今回、写真の種名生息地に次いで(H)、M)、(L)の記号がありますが、これは栽培温度が(H)高温、(M)中温、(L)低温タイプであることを示します。栽培温度は夜間平均温度で定義し、通年で高温は23-18℃、中温は20-15℃、低温は15-10℃以内としています。
下写真でDen. ellipsophyllumはPalawan生息種ですが、リップがオレンジ色と緑色があり、温室では冬期から春期はオレンジ色が、夏季は緑色の花が開花します。このため8月現在の開花中の株は全て緑色となっています。また色は株それぞれの固有色であり、同じ株で開花期によって色が変わる様態は見られません。一方、Phal. bellinaは先月末に杉板に植替えた2株で、現在開花中です。この猛暑の中、蕾を持った開花間近な株を植え替えることは避けるべきですが、杉板での相性を調べることと、植替え待機中の株が手に負えない程多くあり、植え替え最適期に合わせる余裕がありません。幸い元気よく開花していることと、次の蕾が膨らみつつあることから、この猛暑の中、杉板を嫌う様子は無いようです。
最下段のDendrochilum macranthumですが、これまでmagnumとしていた種名の変更です。10年ほど前にフィリピンラン園にて、大株で多数の白い穂状花序を見て、種名は不明でしたがalbaフォームのデンドロキラムと思い入手し、日本に持ち帰って栽培を始めたところ、花色が白ではなく黄色であることが分かり、環境の変化でこんなに色変化が起こるのかと期待が外れ諦めていました。そこで種名はと、形状および色合い、フィリピン生息種であることなどを基に調べ、Dendrochilum magnumとしました。しかし今年に入り栽培場所が変わり、ほぼ毎日のかん水をしている中、先月末に花茎が発生しました。驚いたのは、長く下垂した多数の花序が1週間以上、白い状態でフィリピンで見たのはまさにこの光景だと。10日間程で黄色く変化し始めたのですが、magnumにはそうした特性は無いようで、それではと再度調べたところフィリピン固有種macranthumに行きつきました。花色が白から薄緑色さらに黄色へと変化します。この変化が撮影できたので2-3日でリンク先ページを修正する予定です。
ページ制作と近況
会員サイトに掲載する胡蝶蘭原種のページ制作を6月末から始めていますが、今月中旬には完了する予定です。先月に加え今回サンプルを11種選び下記のそれぞれの種名リンク先に公開しました。青文字をクリックするとページが開きます。
Phalaenopsis lindenii
Phalaenopsis lueddemanniana
Phalaenopsis mariae
Phalaenopsis pantherina
Phalaenopsis philippinensis
Phalaenopsis sanderiana
Phalaenopsis schilleriana
Phalaenopsis speciosa
Phalaenopsis stuartiana
Phalaenopsis tetraspis
Phalaenopsis violacea
現在公開中の胡蝶蘭原種ページと同じ構成ですが、これまでのページでは特にカルス形状は見にくい画像が多く、全ての種のページで画像の編集、差し替えおよび追加を行っています。新たにこうした編集が出来るのも、2005年からの膨大な枚数の撮影時の高解像度画像をそのまま保存しているためです。胡蝶蘭属は凡そ60種ほどですが、1種当たりそれぞれに多数の変種、個体差や地域差によるフォームがあり可能な限り掲載しています。これらのほぼ全てが、当サイトが収集し日本に持ち帰り撮影した画像です。振り返り、凡そ10年をかけて3ヶ月おきにフィリピンやマレーシアに出かけ、開花時には現地にて数十から数百株ある中から選別し、さらにサプライヤーには同種であっても地域やフォームの異なる株があれば、全て集めるようにと依頼してきたことを思い浮かべ、当方のそうした狂気じみた要求にサプライヤーはよく対応してくれたものと、今回のページ制作で改めて感謝するばかりです。胡蝶蘭原種ページが完了した後は、一部は終了していますが他属種の栽培や話題のリンクページに取り掛かります。
一方で、2020年から海外渡航がコロナにより困難になり、すでに2年半が経ちます。この結果、当サイトはランの売買を停止しています。コロナが消滅することは無いと思いますが、インフルエンザと同等と見なされ渡航条件が従来並みとなれば再開したいのですが、果たしてその日はいつになるのか。先月東京ドームラン展の出店申し込み案内を頂きました。前回もそうですが、ラン展に参加できるか否かはEMSによる手段であれ、海外からの入荷ができる状況となることが必須であり、これを待つしかありません。今月から再度現地サプライヤーに打診する予定です。
|
|