9月
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Dendrobium subclausum New Guinea | Dendrobium lawesii white New Guinea | Dendrobium sulawesiense Moluccas |
Dendrobium vexillarius v. retroflexum NG | Dendrobium serratilabium flava Leyte | Dendrobium cymboglossum Borneo |
Dendrobium sp aff. punbatuense Borneo | Dendrobium lineale Irian Jaya. | Dendrobium leporinum New Guinea |
Dendrobium ovipostoriferum Borneo | Dendrobium polytrichum Luzon | Dendrobium bullenianum Luzon |
Aerides magnificaCalayan | Phalaenopsis celebensis Sulawesi | Bulbophyllum patella PNG |
ネット情報に見るCoelogyne tomentosa
先月末から開花していたCoel. tomentosaが、満開から3週間を超えたところで散り始めました。本種はボルネオ島、マレー半島、スマトラ島などの標高1,000m以上に生息する中温タイプです。下写真はマレーシア、ゲッチンハイランドの生息種でマレーシアの趣味家から入手しました。花は長い花茎に30輪程が開花し、開花直後は淡い黄緑色から日が経つにつれ黄色味が強くなっていきます。リップ中央弁の先端部1/3にある皺襞状の突起が特徴です。今回本種を取り上げたのは、しばしば指摘しているorchidspcies.com(IOSPE)の本種情報に気になる点があるためです。花形状には違和感はありませんが、ページ内に、”The flowers are scented and do not last long and are delicate on a terminal, to more than 15" [37.5 cm] long, ...inflorescence arising with a new pseudobulb growth with a zig zag rachis ...”とあり、内容は花の寿命が短いことや花軸はジグザクとのことです。この英文解釈が間違っていなければ、前記したように当サイトでは花寿命(1輪の落花も無く満開状態の期間)は3週間程続いており、果たして3週間の花寿命がなぜ短いのか?との疑問で、短命花と云えばせいぜい3-4日と思ってしまいます。一方、他のセロジネの花茎に見られるジグザク形状とは異なり、下写真左が示すようにほぼストレートであること、またバルブ基部側の最初の花と花軸先端部の花までの長さは下写真右で70㎝あり花数は30輪です。IOSP記載が正しければ当サイトの株は別種となります。本種の詳細は下画像の青い種名のクリックで見られます。Coelogyne tomentosa |
Bulbophyllum cleistogamumに見る花色のバリエーション
Bulb. cleistogamumはボルネオ島、マレー半島、スマトラ島、フィリピンなどに広く生息する着性および地生ランです。花は白色をベースに赤褐色のストライプ模様を持ち、左右ラテラルセパル間のNSは4.5㎝ほどに対しペタルは極めて小さく、バルブ基部から発生した50㎝程の細長い花茎の先端に開花します。開花は1輪で、花が終わると間をあけて次の花と、3輪程続いた後に花茎は枯れます。現在当サイトでは、マレー半島(ボルネオ島の可能性有り)、キャメロンハイランドおよびフィリピン生息種を7年近く栽培しており、今回花色が異なる2種類を下写真に取り上げました。こうした色などのフォームの違いが個体差あるいは地域差なのかは、より多くのサンプルが必要と思われます。写真右のキャメロンハイランド入荷種は、ラテラルセパルがほぼソリッドな濃赤(ガーネット)色で、またペタルは他の地域種がラテラルセパルに沿って前屈みてあるのに対し、写真に見られるように左右に開いている点が異なります。花画像下の青色種名のクリックで詳細画像にリンクします。Bulbophyllum cleistogamum マレー半島 | Bulbophyllum cleistogamum キャメロンハイランド |
9日現在開花中のデンドロビウム6種
青色種名のクリックで詳細画像が見られます。Dendrobium calicopis Malaysia | Dendrobium dianae_flava Borneo | Dendrobium annae Sumatra |
Dendrobium klabatense Sulawesi | Dendrobium sanguinolentum (Kalimantan) | Dendrobium sanguinolentum Borneo |
(続)植替え後の成長
下写真は植替え時と、その1-2年後の6種の株の成長を示した画像です。株画像下の青色種名のクリックでそれぞれの花が見られます。写真上段が植付け時、下段が現在(9月8-9日)の撮影です。これら画像からは、6種いずれも植付け時に、取付材の1/3程度を伸びしろ面積として設けたものの、株サイズが2-3年で越してしまうことが分かります。最下段右のTrichoglottis atropurpurea flavaは1年未満で約25㎝ほど伸長しています。今月撮影の一部の株の上部に肥料ケースが見られます。これは先月末から今月にかけて取り付けたもので、今年7月まではこれまでの数年間、これらの株には肥料を殆ど与えていませんでした。温度、輝度、湿度、通風等の条件が適合すれば著しい成長をすることがわかります。2019年11月炭化コルク植付け | 2020年4月炭化コルク植付け | 2020年11月炭化コルク植付け |
Bulbophyllum wiliilamsii Mindanao | Bulbophyllum translucidum Leyte | Bulbophyllum inacootesiae Mindanao |
2020年12月トリカルネット筒植付け | 2020年2月炭化コルク植付け | 2021年10月炭化コルク+ヤシ繊維マット植付け |
Dendrobium deleonii Mindanao | Bulbophyllum callichroma New Guinea | Trichoglottis atropurpurea flava Luzon |
Vanda Luzonica, ustii, mindaoensis, sanderianaなど | Vanda dearei, helvola, lombokensis, foetidaなど |
Bulbophyllumに見る植替え1年後の成長
Bulb. recurvilabreとBulb. scaphioglossumの、植替え時と凡そ1年後の成長を比較してみました。両種はそれぞれ1999年と2014年命名された新種で、Bulb. recurvilabreは昨年、50㎝サイズのブロックバークに2株を寄せ植えし、またBulb. scaphioglossumは炭化コルクとヤシ繊維マットを重ねた支持材に取付けました。Bulb. recurvilabreをそれまでの炭化コルクではなく、ブロックバークに取付けたのは栽培経験による判断です。ポットやコルクに比べてブロックバーグの方が相性が良いのはDen. rindjaniense等にも見られます。一方、Bulb. scaphioglossumは炭化コルクとヤシ繊維マットとを組み合わせた保水性の高い支持材としています。この組み合わせは昨年夏以降、これまで炭化コルクを使用した種の植替え時には全てに適用しており、Bulb. scaphioglossumはその取付材を使用した初期のバルボフィラムとなります。Bulbophyllum recurvilabre Leyte | 2021年4月17日 10葉 | 2021年7月21日 14葉 |
2022年8月31日 17葉 | 左写真上部の新バルブ数:4 | 左写真下部の新バルブ数: 8 |
Bulb. scaphioglossum New Guinea | 2021年7月30日植付け | 2022年9月1日 |